その汗、体質だけでしょうか|多汗症は何科に相談する?「人より汗の量が多い気がする」「わきの汗でシャツの色が変わってしまう」夏になると、こうしたご相談が増えます。国内の調査では、わきや手のひらなど体の一部に強い汗が出る「原発性局所多汗症」にあてはまる方は10.0%、10人に1人と報告されています。一方で、医療機関を受診したことがある方は4.6%、治療を続けている方は0.7%。多くの方が「体質だから」と受け止めたまま過ごされているのが現状です。当院は大阪府吹田市古江台、北千里駅からお越しいただける一般内科です。汗の悩みで内科を受診すると何がわかるのかをご説明します。「多汗症は何科?」に、まず内科をおすすめする理由汗が多い状態は、大きく2つに分けて考えます。 原発性多汗症……背景となる病気がなく、体質的に特定の部位(わき・手のひら・足の裏・頭など)の汗が多いもの 続発性多汗症……別の病気や、飲んでいるお薬の影響で汗が増えているもの日本皮膚科学会のガイドラインでは、続発性多汗症を起こしうるものとして、甲状腺機能亢進症、代謝や循環器の病気、褐色細胞腫、感染症、悪性腫瘍、パーキンソン病、お薬の影響などが挙げられています。つまり「汗が増えた」の背景を切り分けるには、まず内科的な確認をしておくことが近道になります。問診と、必要に応じた血液検査(甲状腺の機能や血糖の値など)で、多くはある程度整理できます。特に一度ご相談いただきたいサイン 最近になって急に汗が増えた体重が減ってきた、動悸がする、手が震える寝ている間にも汗をかく(原発性の多汗症は、睡眠中は止まるのが特徴とされています)体の片側だけ、または左右で差がある発熱を伴う新しいお薬を飲み始めてから増えた心当たりがある場合、背景に別の原因がある可能性があります。一度ご相談ください。原発性多汗症のめやすと、重症度の考え方原発性局所多汗症は、明らかな原因がないまま、体の一部の強い汗が6か月以上続いている場合に、次の6項目のうち2つ以上があてはまるかどうかで判断されます。最初に症状が出たのが25歳以下左右対称に汗が出る睡眠中は汗が止まっている週に1回以上、汗が気になるエピソードがあるご家族に同じ症状の方がいる日常生活に支障が出ている重症度は、汗の量そのものではなく「日常生活にどれだけ支障があるか」で評価します(HDSSという指標です)。状態1汗は気にならず、支障はない2我慢できるが、時々支障がある3ほとんど我慢できず、頻繁に支障がある4我慢できず、常に支障がある3と4は重症とされ、受けられる治療の選択肢が変わります。「3かもしれない」と感じられたら、遠慮なくお申し出ください。保険で受けられる治療があります「汗の悩みは自費でしか治せない」と思われている方が多いのですが、わきの汗(腋窩多汗症)については、保険が使える治療があります。保険で受けられる治療説明外用薬1日1回、わきに使うお薬です。塗るゲルタイプと拭き取るワイプタイプがあり、いずれも保険適用です。年齢によって使えるお薬が異なります注射による治療重症(HDSSで3〜4)と判断されたわきの汗に対しては、ボツリヌス毒素の注射が保険適用となります。効果はおおむね4〜9か月続くとされています手のひらの汗塗り薬のほか、水道水を使ったイオントフォレーシスという方法がありますお薬手帳をお持ちくださいわきの汗に使う塗り薬(抗コリン作用のあるお薬)は、閉塞隅角緑内障の方、前立腺肥大による排尿障害がある方には使用できません。副作用として、口の渇き、目のかすみ、排尿しにくさが起こることもあります。緑内障で目薬を使っている方、前立腺のお薬を飲んでいる方は、受診の際にお薬手帳をご持参ください。持病と飲み合わせを含めて確認できるのが、内科で相談する利点です。当院で対応できること当院では、問診と必要に応じた血液検査で汗の背景を確認したうえで、原発性の多汗症と考えられる場合には、保険適用の外用薬(塗るゲルタイプ・拭き取るワイプタイプ)をご提案しています。重症の方で注射による治療をご希望・ご検討の場合には、対応できる病院へご紹介します。紹介状をお持ちいただくことで、治療のご相談にスムーズに入れます。まずは外用薬で様子を見るか、紹介まで進むかも含めて、一緒に考えていきます。更年期のほてり・発汗との違いについて40代以降の女性で、顔や上半身がカーッと熱くなる感じを伴う発汗がある場合は、更年期の症状として現れていることがあります。原発性の多汗症が「わき・手のひら・足の裏など、左右対称の決まった部位」に出るのに対し、更年期に伴う発汗は上半身全体に広がりやすく、のぼせやほてりを伴うことが多いとされています。ご自身で見分けるのは難しく、両方が重なっている場合もあります。当院の院長は女性医師です。汗のことも体調の変化のことも、ご相談しにくい内容をどうぞお気軽にお話しください。夏の汗で気をつけていただきたいこと汗の量が多い方は、夏場は脱水やあせも・かぶれも起こりやすくなります。こまめな水分と塩分の補給、汗をかいたあとの拭き取りや着替えをおすすめします。反対にご高齢の方では、汗をかきにくくなることのほうが心配な場合があります。熱がこもっても体温を下げられず、室内でも熱中症につながることがあります。受診の流れとご予約流れ説明問診いつから、どの部位に、どんなときに汗が出るか。飲んでいるお薬、ご家族の状況などをうかがいます必要に応じて血液検査甲状腺の機能や血糖の値などを確認します整理とご提案原発性か、別の原因がありそうかを整理し、その後の進め方をご相談しますお持ちいただくもの:健康保険証またはマイナ保険証、お薬手帳よくいただくご質問Q.市販の制汗剤では足りないということでしょうかA.市販の制汗剤で足りている方も多くいらっしゃいます。ただ「使っても追いつかない」「日常生活に支障が出ている」段階なら、医療機関で相談できる選択肢があります。Q.何歳から相談できますかA.保険適用の外用薬には、拭き取るワイプタイプ(9歳以上)と塗るゲルタイプ(12歳以上)があります。学齢期のお子さまもご相談いただけます。Q.血液検査は必ず必要ですかA.全員に行うわけではありません。症状の出方や経過をうかがったうえで、必要と考えられる場合にご提案しています。Q.健診では何も指摘されませんでしたがA.一般的な健康診断の項目に、甲状腺の機能は含まれていないことが多くあります。健診で指摘がなかったことが、そのまま「原因となる病気がない」ことを意味するわけではありません。最後に汗の悩みは、まわりに相談しにくく、我慢したまま何年も過ごしてしまいがちです。ですが、背景に治療が必要な病気がないかを確認しておくこと自体に意味がありますし、原発性とわかった場合にも保険で受けられる選択肢があります。【監修】医療法人健盛会 かえでファミリークリニックかえでファミリークリニック 院長 志波 里奈(しば りな)日本大学医学部卒業/日本医師会認定産業医 内科認定医本記事の一部(在宅医療、循環器、生活習慣病、健診に関する記載)は 医療法人健盛会 理事長 水野 脩(みずの しゅう) が確認しています。気になる場合は受診を「こんなことで受診してよいのだろうか」と迷われる必要はありません。どうぞお気軽にご相談ください。お電話(06-6872-6002)またはWeb予約からお気軽にご相談ください。